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伝え方(ノーベルニュース第359号 教室長コラムより)

 先日、ある先生が「声が小さい」と指摘した場面が印象に残りました。確かに聞き取りづらい状況でした。オンラインだったのでマイクの不調もあったのでしょう。しかし、その言葉の選び方に少し引っかかるものを感じました。

「声が小さい」という表現は、事実を伝えているようでいて、受け手によっては責められているように感じることもあります。その場面を見ながら、ふと「他の言い方もあるのでは」と考えました。

たとえば——

「聞こえづらいのでもう少し大きな声で。」

「もう少し口を大きくあけるイメージで話してみて。」  など

どれも目的は“聞こえるようにする”こと、状況を共有し協力を求める言い方です。こうした表現は相手の気持ちを尊重しながら、必要な改善を促すことができます。

コミュニケーションにおいて、「何を言うか」以上に「どう言うか」が重要だと改めて感じました。もし自分のいらだちをそのまま言葉にしてしまえば、相手との信頼関係にひびが入るかもしれません。逆に少しの配慮があるだけで場の空気はぐっと柔らかくなります。

この出来事は私にとって良い学びの機会となりました。日々の自分の授業の中でも、子どもたちの立場や状況を想像しながら、伝え方に気を配ることを忘れずにいたいと思います。

ノーベルニュース第358号

今月はイベント案内を掲載のため、教室長コラムはお休みさせていただきます。

今月のノーベルニュースはこちらから ⇒ nobelnews202508.pdf

書き順(ノーベルニュース第357号 教室長コラムより)

 近年、漢字を苦手とする生徒が増えているように感じます。それだけでなく、書き順を見て驚かされることも少なくありません。多少の順番の違いなら問題ないとは思いますが、線のパーツを器用につなぎ合わせて独自の方法で完成させるといった例も見受けられます。本当にビックリです。

 そもそも漢字の書き順は、単なる「決まりごと」ではなく、読み書きの力や筆運びの美しさに直結する重要な要素です。正しい順序で書けば、書きやすくなり、形のバランスも整いやすく読みやすさが向上します。また、同じ形の漢字は、同じ書き順で書くため記憶にも定着しやすく、効率的な学習にもつながります。

 もちろん、「書き順は関係ない」という意見もあります。しかし、私は20年以上の指導経験の中で、書き順がめちゃくちゃで学力が高かった生徒に一度も出会ったことはないです。人それぞれのとらえ方はあると思いますが、漢字の習得に苦手意識を持つ生徒には、まず書き順を守ることから指導したいと考えています。

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