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書き順(ノーベルニュース第357号 教室長コラムより)

 近年、漢字を苦手とする生徒が増えているように感じます。それだけでなく、書き順を見て驚かされることも少なくありません。多少の順番の違いなら問題ないとは思いますが、線のパーツを器用につなぎ合わせて独自の方法で完成させるといった例も見受けられます。本当にビックリです。

 そもそも漢字の書き順は、単なる「決まりごと」ではなく、読み書きの力や筆運びの美しさに直結する重要な要素です。正しい順序で書けば、書きやすくなり、形のバランスも整いやすく読みやすさが向上します。また、同じ形の漢字は、同じ書き順で書くため記憶にも定着しやすく、効率的な学習にもつながります。

 もちろん、「書き順は関係ない」という意見もあります。しかし、私は20年以上の指導経験の中で、書き順がめちゃくちゃで学力が高かった生徒に一度も出会ったことはないです。人それぞれのとらえ方はあると思いますが、漢字の習得に苦手意識を持つ生徒には、まず書き順を守ることから指導したいと考えています。

叱る目的(ノーベルニュース第356号 教室長コラムより)

   子どもたちの行動を見ていると、ついつい叱りたくなる場面があります。注意をすると言い訳が返ってきて、つい感情的になりそうです。しかし、怒りに任せ感情をぶつけるのは避けないといけないことです。


 そもそも叱る目的とは何でしょうか?調べてみると「相手の行動を正し、よりよい成長や関係性を築くこと」とあります。つまり、ルールやマナーを守るために誤った行動を指摘し、望ましい振る舞いへと導くこと、そして正しい価値観や善悪の判断を教えることといえるでしょう。ただ、実際の場面を目にすると、怒りの感情が混じり目的を見失ってしまっている気がします。特に最近は、周囲の人が不快な思いをしていることも多いため、みんなの前で叱ることに難しさがあります。とはいえ、叱ってはいけないというわけではありません。重要なのは、目的を達成するために「諭す」「説得する」といった他の選択肢も考えることで、叱ることは1つの方法に過ぎない、と思います。

   𠮟る一辺倒では相手に気持ちは伝わりません。私は、叱ることを含め、行動改善を促す最も効果的な方法を常に模索しながら指導をしていきたいと考えています。

恥(ノーベルニュース第355号 教室長コラムより)

 『恥』~自分の成長のカギとなる気持ち~

 昔アンパンマンミュージアムに行ったときに作者のやなせたかしさんの「三かく主義(絵を描く、詩を書く、恥をかく)」を知り感銘を受けました。恥との向き合い方の大切さを感じた瞬間でした。

 恥は場合によっては行動をためらわせる気持ちですが、向き合い方によっては自分の成長のチャンスともなります。恥を感じたとき、周囲の目を気にしすぎているのか、それとも本当に改善が必要な行動だったのかと、その原因を冷静に見つけることが大切です。そして、恥を恐れて挑戦を避けるのではなく、学びの機会と考えて、次に活かす姿勢を持つことが大事です。人生経験が長くなれば「恥」をかいたことを笑い話のネタにすることもできますが、なかなかそうはできないものです。私はかいた恥は授業内で積極的に公開し、その笑いを共有したいと思う派です。伝えずにはいられないので、ちょっと変わり者かもしれません。

 過度な恥は自己否定につながりますが、適度な恥は人格を磨く教訓となります。恥をただ隠すのではなく、受け止め、乗り越えて、より豊かな人間関係と成長を築くことにつなげてほしいと思います。

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