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伏見工業高校ラグビー部(NOBEL NEWS 356号)

 山口良治さんが京都で一番荒れていると言われた伏見工業高校のラグビー部に赴任した当初、部員はグランドに集まらない、練習すらまともにできない日々が続いたそうです。

春の大会では全国大会常連の花園高校と対戦し112:0の惨敗。生徒たちは「負けるの当たり前」「仕方ないわ、アホくさ」とふてくされた顔で戻って来ました。そんな生徒に山口監督は語りかけます。『同じ高校生。悔しいと思わんのか!悔しいと思わなかったらウソだ!』

と、白けた生徒たちに語り続けます。

 すると、留年してキャプテンをしていた小畑君が『悔しい!』と突然叫んでうずくまりました。『どうしたんや』と聞くと、体を震わせて『悔しい、ちくしょー!』とグランドにこぶしを叩きつけました。その時の彼の泣き叫ぶ声が伏見工業高校の産声でした。

先生が一人またひとりと魂に語りかけると「悔しい!」「花園高校に勝ちたい!」と声をあげます。『どんな辛い練習をしても勝ちたいのか!?』と監督が言うと、しばらくの沈黙が・・・・・『どっちなんだ!やるのか、やらないのか、はっきりしろ!?』 

生徒ひとり一人に決断を求めます。すると『勝ちたい、どんな辛抱しても勝ちたい!』と。腹の底からの本音を語りました。

 それから5年後、伏見工業高校は55:0で花園高校を破ります。そして、翌年の昭和55年、全国大会で悲願の初優勝を飾ります。

 子どもたちは、良きコーチとの出会いで人生を大きく好転させるチャンスを得ます。

 大人が変われば子どもが変わる。大人が変わる姿を見た子どもは、成長して大人になったとき、今度は自分が変わる姿を自ら子どもに見せようとする。子どもたちに変わることばかりを求めることを辞めて、自ら変わる大人の姿を見せる。

 子どもたちは才能の塊です。自律から自立へ、そして自活へ

『共に学び 共に育つ』 館長 西川敏博

 

 

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