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大乗ノーベルニュース6月号

失敗から学ぶ

 「失敗や過ちで人生は決まらない。失敗や過ちの後に、いかに生きるかで人生が決まる。」という言葉が好きです。言葉として頭の中に入れていたのですが、それを身をもって生徒から教わりました。10年前のことです。

 T君は学力は高かったのですが、昨年受験に失敗しました。そして、ノーベル学習館の東進で1年間浪人する決断をしました。受験が終わった直後から毎日13:00~23:00まで、1日も休むことなく第1志望校合格を目指して勉強しました。夕食も弁当持参で塾で食べてすぐ東進の部屋に戻り勉強を続けました。そして、1年後のセンター試験の結果はまずまずでした。

出願に向けての三者懇談の時のことです。彼は物理学者になりたいという希望があり、大阪大学の理学部物理学科を志望していました。しかし、センター試験の判定では厳しく、『昨年受験に失敗して浪人しているのでプレッシャーもあるから、合格の可能性を高めよう』と、懇談で大阪大学の別の学部と九州大学の話をしました。すると、どうでしょう。彼は、微動だにせず『大阪大学の理学部物理学科を受験します!』とキッパリ。こちらが知っている彼とは全く違う、たくましさと強さを感じました。

結果、彼はセンター試験のハンディをはねのけ見事合格を勝ち取りました。私立大も全て合格しました。受験が終わって話をした時、彼はこう言いました。

『去年の自分は体力的にも精神的にも弱かった。だから、体力をつけようと毎朝ランニングをし、食生活も変えて体重も10キロ近く増やしました。また、学習計画を立てて、何をいつまでにやるかを明確にして、誰にも負けないぐらい計画通り徹底的に学習量を積み上げてきたので、2次試験で挽回する自信がありました。それくらい精神的にも強くなりました。』と語ってくれました。

この話を聞いた時、不謹慎かもしれませんが、あのまま現役で合格するより彼の人生にとって良かったと思いました。細身で少し気弱だった彼が、失敗から学び次の目標に向かって自分の生き方を変えた。 「失敗や過ちで人生は決まらない。失敗や過ちの後に、いかに生きるかで人生が決まる。」ということをT君が身をもって教えてくれました。

『共に学び 共に育つ』 館長 西川敏博

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