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竹原教室 Nobel News 7月号

「命とはみなさんが持っている時間のこと」 

 聖路加国際病院の日野原重明・名誉院長は105歳で亡くなられました。医師として診察にあたる傍ら、シニアの新しい生き方を提案し、子どもたちに「いのちの授業」をしておられました。その内容を盛り込んだ「十歳のきみへ 九十五歳の私から」の中から内容を一部紹介します。  

「心臓は生きるために必要だけど、そこに命があるわけじゃない。これから一番、大切なことを言います。命とは、人間が持っている時間のことです」(日野原先生)
そして朝から何をしたか、子どもたちに聞いた。ご飯を食べた、勉強した・・・・・と声が上がる。
「どれも自分のためだけに時間を使っていますね。これからはだれかのために時間を使ってください」と語りかけた。
参加した子に感想を聞くと、「妹ともっと遊んであげたい。お母さんの手伝いをしようと思う」とまっすぐに話してくれた。
「今日きみが失敗して、みんなに笑われてなみだをこぼした体験は、いつか友だちが失敗したときに、その気持ちをだれよりもわかってあげられるためのレッスンなのかもしれません」
「相手にこぶしをふりあげるのを、ちょっと待ってください」
「争いの根っこにあるにくしみの感情。それをコントロールできるのは自分だけです」
子どものけんかと世界で起きている争いを結び付け、「自分はこんなに痛い思いをした。でも、相手も深い傷を負っていたんだと気づくことができれば、和解の第一歩になると信じています」と説く。
「にくい相手をゆるす。その勇気で、争いを終わらせることができます」
「知るということをもっと大事にしてください」
「きみたち、よろしくたのみますよ」
「戦争の経験のないきみたちには、いまも世界の各地で続いている戦争で、人々がどれだけ多くのものをうしない、深い悲しみのなかにあるのかを想像するのはたしかにむずかしいことかもしれません」
「けれども、きみ自身が感じる、痛いとか、つらいとか、悲しいとか、苦しいといった感覚や感情をたよりにしてほかの人のことを深く察するのに務めてみてください」

命はみんさんが持っている時間のこと。だれかのために使う時間のこと。様々な感情に共感し他者を幸せにする時間のこと。幸せはブーメラン、他者を幸せにすることは自分も幸せになること。
こどもたちの心の核に届く言葉が響きました。

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